人工妊娠中絶について
日本では母体保護法という法律で人工妊娠中絶が認められており、産むか産まないかは母親になる女性に最終的な決定権があります。ただし、中絶は倫理的に悪であり医学的には母体に有害である事を認識して下さい。中絶の方法は手術によって子宮の中の胎児とその付属組織を取り出します。
宮川クリニックでの具体的な日帰り手術のスケジュールは次の通りです。
手術前日
夕食は軽めにとり、早めに就寝して下さい。(不安で眠れない方には、睡眠剤を寝る前に処方致します。)リラックスして、手術当日を迎えることが大切です。
手術当日
起床した後は、食べたり飲んだりせず午前9~10時頃までにご来院下さい。(食事をすると、手術の時の麻酔の影響で食物を吐いてしまい、気管に詰まって窒息する事があります)
確認事項
手術承諾書(配偶者または相手の男性の同意が原則として必要です)
手術料金(妊娠・分娩の経験の有無や、妊娠の週数などにより異なりますが、およそ12~15万円かかります)
- 入院はプライバシーを守るためにすべて個室入院で行います。(各部屋に内線電話が準備してあります)
- トイレも一般の患者さんとは別に設置してありますので、入院中に他の患者さんと顔をあわす事はほとんどありません。
前処置
入院診察の際、膣を消毒して子宮の入口を拡げる器具を挿入する場合があります。手術衣に着替えていただいてから、個室で点滴を始めます。手術の30~60分前に肩に麻酔の準備の注射をします。
手術方法
正午過ぎに手術室に入室します。呼吸のモニター装置・血圧計などをつけ、全身状態を確認した後に、点滴から麻酔薬を注射します。麻酔がかかると、手術中に意識はなくなります。手術はおよそ10~15分でおわります。手術後に、超音波検査で、胎児組織の残りがないことや子宮の収縮の具合をチェックします。
麻酔がさめ、意識が戻り、全身状態に異常のないことを確認したのちに個室に戻り、2~3時間安静にします。
器具を用いる方法(従来法) | 吸引法(2013年から導入) | |
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子宮の入り口の拡張 | くすり指が通るくらい子宮の入り口を広げる必要あり | 一回り狭くても手術可能なので身体の負担が少ない |
子宮内操作 | 器具で何度もかきだす操作が必要で痛みを強く感じる女性もある | 吸引器の圧力を上げ、少し動かすだけで自動的に吸い出されるため手術中の痛みが少ない |
手術中の出血 | 子宮は収縮することで出血が止まるが胎児組織の残りがないことを何度か確認するため、その分時間がかかり出血が増える傾向があり | 根こそぎ吸い出されるため胎児組織の残りはほとんどなく陰圧がかかることで子宮の収縮を助け出血は少ない |
問題点 | 妊娠10週を超えるような時期の中絶手術も可能 | 妊娠10週を超えると、胎児が発育して大きくなり吸引器では吸い出せなくなるので器具による手術が必要 |
退院
経過が順調なら、お昼過ぎまでに退院できます。