写真でわかる性病
文章だけでは、なかなか病気のイメージがわからないと思います。病気に対する理解を深めるために、性病の症例写真を掲載しました。症例写真を参考にして、自分の症状がどの性病にあたるか検討してください。
ただし、自己診断は大変に危険な場合があります。医療機関を受診するかどうか迷っている人で、デジカメをお持ちの方は、電子メールに写真を添付して、まずオンライン相談を受けてみてはいかがでしょうか?
症例写真を参考にして、より多くの患者さんが、早期に診断を確定し、治療をスタートできるようになることを期待しています。
病名 | 淋病 |
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原因病原体 | 淋菌 |
潜伏期間 | 2〜5日 |
主な症状 | 尿膿、排尿痛 |
症例写真を提供していただいた患者さんに深く感謝します
急性尿道炎では、この写真のように黄色の膿が出て下着が汚れます。最初は、排尿初期の痛みですが、放置すると前立腺や膀胱にひろがって、排尿の最後のころに痛みがでるようになります。急性尿道炎のうち、淋病では、感染後1週間以内に発病し、症状が強いことが多く、クラミジア感染症では、1週間以降に発病し、症状が軽いことが多いといわれています。淋菌やクラミジアは、感染しても発病しないケースがあり、知らずに他のセックスパートナーに感染させてしまうことが少なくありません。感染が心配な場合は、無症状でも医療機関で、血液検査・尿検査を受けることをお勧めします。
症状が出ている場合は、早めにお近くの医療機関を受診することをお勧めしますが、色々な事情からどうしても病院を受診できない男性には、抗生物質(2週間分)をオンライン処方(郵送)できます。
その他、心当たりがあって予防的に薬をのんでおきたいというケースや、すでにオンラインの性病検査で淋菌やクラミジアが検出されている場合などにもオンライン処方(郵送)ができます。
料金は、郵送料込みで、8,000円(内税)です。郵送は、書留速達で行います。
直接クリニックを受診された患者さんには、オーラルセックスによる淋菌・クラミジアの咽頭(のど)感染の検査(SDA法)をお勧めしています。淋菌性尿道炎の患者さんの15~30%に、淋菌の咽喉感染(多くは無症状)が指摘されており、除菌して二次感染を防止するためには、通常の治療薬とは異なる特別な抗生物質による治療が必要となります。
病名 | 性器ヘルペス |
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原因病原体 | 単純ヘルペスウイルス(HSV) |
潜伏期間 | 1〜数ヶ月 |
主な症状 | 感染部位の疣贅性腫瘤(イボ) |
性器ヘルペス
参考:亀頭包皮炎
症例写真を提供していただいた患者さんに深く感謝します
性器ヘルペス症の初感染では、痛みの強い水疱が亀頭、包皮に複数できます。水泡がつぶれると、この写真のように表面がただれて、赤みが増し、包皮にむくみがおこります。足の付け根のリンパ節も腫れることが多く、熱が出ることもあります。
まちがえないように、下の亀頭包皮炎とくらべてください。参考に亀頭包皮炎の解説もごらんください。
症状が出ている場合は、早めにお近くの医療機関を受診することをお勧めしますが、色々な事情からどうしても病院を受診できない男性には、抗ウイルス剤(内服5日分とクリーム1本)をオンライン処方(郵送)できます。
初感染後、単純ヘルペスウイルスが体の中に入り込んで持続感染となりますが、すでに何度も再発を繰り返しており性器ヘルペスの再発に間違いないケースや、次回の再発に備えてお薬を手元に置いておきたい場合などにもオンライン処方(郵送)ができます。
料金は、郵送料込みで、8,000円(内税)です。郵送は、書留速達で行います。
病名 | 尖圭コンジローマ |
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原因病原体 | ヒト乳頭腫ウイルス(HPV) |
潜伏期間 | 1〜数週間 |
主な症状 | 感染部位の有痛性小水疱(水ぶくれ) |
症例写真を提供していただいた患者さんに深く感謝します
矢印の部分が、尖圭コンジロームです。イボができた発病初期に、早めに医療機関を受診して治療をスタートすることが大切です。放置すると数や大きさが増して、5~10mm以上のカリフラワー状態になることがあります。
亀頭のえらにできたぶつぶつとの区別には、フォアダイスのページをごらんください。
尖圭コンジロームの治療には、外来で局所麻酔下に切除手術をお勧めしています。診察・治療をご希望の患者さんは、以下の電子メール問診表に記入して送信してください。イボの画像を添付されると、予備的な診断に有効です。
HPVテストは、女性の子宮にHPVが感染したかどうかを確かめることができます。尖圭コンジロームを発病した患者さんや感染した恐れのある患者さんは、検査の詳細をご覧ください。
放置するとこの写真のようにカリフラワー状に発達することがあります。
イボはペニス以外にも肛門にできることもあります。後ろもチェックが必要です。
症例写真を提供していただいた患者さんに深く感謝します
尖圭コンジロームの治療は、診断もかねて、まず切除手術を行い病理組織検査を行って診断を確定することからスタートしますが、1回だけの切除手術で完治するのは難しく、今までは再発するたびに切除手術を繰り返していました(^^;)
しかし、2007年12月に、日本で初の尖圭コンジローム治療薬となるベセルナクリームが発売されました♪ 1日おき、1週間に3回イボにすり込むように就寝前に薬を塗布し、翌朝薬を洗い流す作業を繰り返すと、多くのイボがおよそ16週(4ヶ月)以内に消失すると言われています。
今までは手術で切除して治すのが主流でしたが、これからは
- 小さなイボなら、薬だけの治療でも治すことが可能です。
- 大きなイボは、薬で小さくしてから切除する。
- 切除後に再発した場合、イボが小さいうちに薬で治す。
など、手術と薬をうまく組み合わせて総合的に治療する方法が可能になりました(^ェ^)
ただし、ベセルナクリームは、間違って使うと、たとえばコンドームに穴を開けるくらい強力な皮膚刺激作用があるため、正確に薬を使う必要があります。お近くの専門医を受診して、診断を確定の上、お薬の詳しい使用方法を説明してもらい治療に専念されると良いでしょう。
さて、宮川クリニックでは、色々な事情から、最初から保険を使わないで治療を希望される患者さんのために自費診療(全額自己負担)を行なっています。
- 初回受診時の尖圭コンジロームの切除手術費用は、麻酔・手術・抗菌剤・消毒液・病理組織検査・メールでの結果報告などすべて合計で、16,000円(内税)です。
- 自費でベセルナクリームを処方する場合、6回分(2週間分)で11,000円(内税)です。遠方でどうしても再診できない患者さんには、オンライン処方(お薬の郵送)を行ないます。郵送料込みで、6回分(2週間分)で12,000円(内税)です。
お近くに適当な病院がなく、宮川クリニックで自費診療(全額自己負担)の診療を希望される場合は、下部にある電子メール問診票での質問にお答えください。
病名 | 陰部伝染性軟属腫 |
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原因病原体 | 伝染性軟属腫ウイルス |
潜伏期間 | 1〜数週間 |
主な症状 | 感染部位の小腫瘤 |
症例写真を提供していただいた患者さんに深く感謝します
陰部伝染性軟属腫は、小児にできる「水イボ」と同じ伝染性軟属腫ウイルスが原因でおこります。成人の陰部に性行為を介して感染し、イボを形成しますが、放置すると上記の写真のように数が増えて尖圭コンジロームと良く似た症状を示します。ただし、コンジロームのようにカリフラワー状になることはありません。両者の区別にはイボの状態を良く観察することが必要です。治療は、外科的にイボを切除します。
伝染性軟属腫のイボ
イボは半球形で表面は平滑、比較的軟らかく大きなものでは中心部が少し凹む傾向があります。
尖圭コンジロームのイボ
イボは表面が粗く硬い感じがします。数が増え大きくなると先が尖(とが)ってくるのが特徴です。
症例写真を提供していただいた患者さんに深く感謝します
病名 | 毛じらみ症 |
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原因病原体 | 毛じらみ(寄生虫) |
潜伏期間 | 2〜4週間 |
主な症状 | 外陰部の掻痒 |
毛じらみ(成虫)
毛じらみの卵
毛じらみの成虫と卵の拡大写真です。毛じらみは、小さなゴマ粒くらいの大きさで、動いているのが目で確認できます。陰毛に卵を産み付けると、陰毛に沿って2~3個フケがついたようになります。顕微鏡があれば、自宅でも成虫や卵が簡単に確認できます。治療は剃毛(毛を剃る)のほか、薬局で毛じらみ治療用のお薬(スミスリン・シャンプーなど)が販売されていますので、自己治療も可能です。
病名 | 梅毒 |
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原因病原体 | 梅毒トレポネーマ |
潜伏期間 | 3週間 |
主な症状 | 感染部位の無痛性硬結・発疹 |
梅毒(初期硬結)= 第一期
梅毒(バラ疹)= 第ニ期
症例写真を提供していただいた患者さんに深く感謝します
左は梅毒の初期硬結(2か所丸くしこりになっている部分)です。感染後3週間でしこりができますが、ほとんどのケースで症状が見落とされます。右のバラ疹(感染後約3カ月~)や血液検査で偶然発見される場合がほとんどです。重大な病気なので、専門病院を受診して診断を確定後に治療を行うことを強くお勧めします。